「推し、燃ゆ」魔法が解けた時私は何を思うのだろうか
「推し、燃ゆ」を読んで
※ストーリーについては特に触れていません。主人公についての話はします。
うまく生きれない話
主人公あかり、私にそっくりで。
存在自体が好き、少しでも山田涼介という人をわかりたい。
明記されていないものの、ADHDの傾向にある彼女に、共感が止まらなかった。(日常生活描写がリアル)(まんま私でした)(客観的に見た自分がこんな感じなのか......と)
違いと言えば、私は今のところ高校を中退していないのと、同居する父は私のことを理解してくれていることくらいでしょうか。
病院で診断を受けてないのでなんとも言えないですが、「普通」ができないんですよ。
自分では普通に生きてるつもりなのに、変わり者だと言われ続けて育った。一生懸命頑張ってるつもりなのにできなくて、どうしてそんなこともできないの?と母を困らせまくりました。
幼稚園から小学生の頃は毎年保護者面談で「人の話を聞けない」と言われ、中学生に入ってからは遅刻ギリギリ登校、高校生になってからはさらに遅刻が増えて(担任と約束したので2年になってからは結構頑張ってます......)提出物の期限を守れなかったり。過去を顧みたら怠け者だと思われても仕方がないのかもしれないけれど、あくまで自分では必死で生活してるはずなのに、うまくできないんです。
ADHD(疑惑)と依存
そんな中現れた山田涼介という存在。
Hey!Say!JUMPの真ん中で輝く、小さなスーパーアイドル。
以前の記事では「魔法使い」だなんて聞こえの良い言い方をしましたが、生々しい言い方をすると「依存」に近いんです。
山田くんの笑顔に依存してしまっている自分がいます。
普通の生活がままならない、どうしようもない落ちこぼれな私のことを助けてくれます。
山田くんに出会う前は何を楽しみに生きていたか思い出せないほど、私の生活の中に彼がいます。
どんなに自分の気持ちが辛くなっても、彼は笑ってくれます。そして、私の何倍も忙しい中一生懸命に活動しています。だから私は前を向けるわけです。
先日、学校が休みの時になぜか無気力になってしまって3日間ほぼ寝て過ごしたんですよ。
あまりに怠惰な生活を送ると自分は山田くんを見れなくなるということに気付かされました。これは今後気をつけたい!「合わせる顔がない」と思うんですね。山田くんを見ることでしか自分を励ませないのに、それすらできない状態の私は廃人同然です。
なぜアイドルという存在にこんなにも取り憑かれているのか、なぜアイドルだったのか、未だに自分でもよくわからないです。
山田くんが私の生活の中心になっている、ということだけは確かで。
山田くんが見ている世界を知りたいと思うし、山田くんがどんな人なのか知りたいと思うし、多くを語らない山田くんの表情や仕事に対する姿勢ですら、なんとか言葉にできないかともがくほど夢中になってしまって。「言葉にできる感情なんて取るに足りない」のもちゃんとわかっていて、だから絵なんか描いたりして。
側から見たら馬鹿げていることなのかもしれないけど、私は夢中になり続けています。一緒に応援していた友人らが担降りしても、他のアイドルを勧められても、多分これから先もずっと、私は山田くんから目が離せない。
これを依存と言わずして何というか。
魔法が解けた時に
......そんな日々はいつまで続くのでしょうか。
私は基本的に、「山田くんがやりたいように活動してほしい」と日々願っています。
グループで活動したければグループとしての活動を、(言動を見聞きする限り無さそうですが)ソロ活動に専念したいならソロ活動を応援します。
山田くんの幸せに配偶者が必要なら、一緒にいて心が安らぐ素敵な相手と、彼の思うタイミングで結婚欲しいと思っています。
周りの友人に話すたびに「オタクの鑑だね」と言ってもらえるのですが、そうではなくて、赤の他人から一方的に幸せを祈られる山田くんがすごいのです。
(そもそも私はオタクになってから一度も山田くんに「リアコ」という感情を抱いたことはないです。好きの最上級を表すために「あ〜〜結婚!!!!!」と狂いながら叫ぶことはありますが、本気で結婚したいとは思わないです。それより山田くんはどんな人を好きになるのか、心から好きな人にはどんな顔を見せるのか、どのように接するのか、そっちの方が気になります。)
山田くんがこの仕事を精一杯やり切った!と思う日が来て、新たな目標に向けアイドルを辞める時には泣きながらも最後は受け入れるでしょう。どんなにオタクが騒いでも、決定は覆せないだろうから、受け入れざるを得ないでしょう。
タイトルの「魔法が解けた時」は山田くんがアイドルを、芸能人を辞めた時を指しています。
その時が来たら、私は何を思うのでしょうか。生活の中心がなくなったらどうなってしまうのでしょうか。
情けないけれど、今のところ生きていける気がしない。
死ぬまで生き辛いのかと思うと絶望感に苛まれます。自分にはどうしようもできないけど、だからといって周りから特別に扱われたいとも思いません。
病院に行って診断されたところで学校の課題は出さなきゃいけないし、逆に異常がなかったらもっと今までの自分を嫌いになる気がします。
でも、絶望的な生活を強いられていたシンデレラは魔法が解けても最後は王子様と結ばれて幸せなんですよね。本人の行いが良かったのか、神様が味方してくれますよね。
魔法が解けても幸せになれるように、言い換えれば魔法を一生のものにできるように、魔法使い山田涼介くんが私にもたらしてくれるものに感謝して精進しなくてはいけない。
推し、担当という文化は本当に不思議なものだと思います。アイドルから声優や俳優、二次元のキャラクターにホストまで。
私のように依存という言葉が似合うほど1人のアイドルにのめり込む人もいれば、たくさんの界隈に推しを抱えて楽しくオタ活してる人もいるでしょう。
「推し、燃ゆ」は担当である山田くんがかけ続けてくれている魔法が解けてしまった時の自分について考えさせられる本でした。
ちょっとキツかったけれど、きっと私のこれからのオタク人生に大きな変化をもたらすと思います。
依存の状態から脱却しても、山田くんが魔法使いでいてくれる限りは夢を見続けたい。
いつかくる終わりの時に、山田くんに夢中だった自分を優しく肯定できますように。